☆ 羊毛を洗ってみよう ☆

スピニングを始めると、市販されているスライバーやトップでも十分なのですが、
自分でグリージーを洗ってみたくなります。
手紡ぎをしていると、もう少し脂分があったほうが紡ぎやすいことに気がつくのです。
ちょっとしたコツをつかんでいたら、大丈夫。優しく優しく洗ってあげると
汚れて臭い羊の毛がふわっとした真っ白い毛に変わるのにびっくりしますよ。

これがコリデールのグリージーです。
刈り取ったままの毛なので、羊の汗や脂、おしっこや糞、草やら木の実、いろんなものがくっついています。まるで動物園の臭い。

このままの状態で洗濯用のネットに入れちゃいます。一度にたくさん洗うときれいに洗えないので、私は50g〜100gくらいの量で洗っています。
ごみは乾いてから取り除けばOKです。
最初はステイプルをいじらないでそのままそのままがコツです。

洗うのに慣れてくると、洗濯ネットには入れないで、そのまま洗ってもOK。この場合だと洗うときに毛先の様子で汚れ落ちの程度がわかるので、きれいに洗うことができます。くれぐれもごしごし洗ったりしないで、つけておくだけ。
予洗い 
40度より熱めのお湯を用意します。
お湯の量は羊の毛がひたるくらい。
私はキッチンのシンクの洗い桶を使っています。
お湯につけると水に溶ける汚れが出てきます。ここで汚れがゆるむように、20分以上つけておきます。
20分たったら、押し洗いをそっとそっとやります。2,3回くらい。
汚れたお湯を流して、洗濯ネットのままでぎゅ〜っと押して水分を出します。
1回目の洗い
予洗いがすんだら、また洗い桶に羊の毛がつかるくらいの40度くらいのお湯をいれて、ここにモノゲンを少量入れます。
羊の毛を入れたネットを入れるとすぐに汚れが出てきて、洗剤液が茶色というか泥水のように濁ります。1回くらい洗剤液になじませるように押し洗いしたら、1時間ほどそのまま放置します。かき混ぜたり、もんだりしないでください。もんでしまうとフェルト化してしまいます。
そのあと、シンクの底をつかって押して汚れ水を絞ります。決して雑巾絞りはしないで。

洗剤は食器洗いの中性洗剤も使えます。
粉石鹸も使えます。石鹸のときはすすぎのときにリン酢を使います。中性洗剤より粉石鹸のほうが脂分をよく落としました。
2回目の洗い
もう一度洗い桶に洗剤液を用意します。
このときもお湯を使ってください。洗剤は1回目よりも薄めでいいです。
30分くらいつけて、(なにも触らないでつけるだけ)軽く押し洗いをして、汚れを出していきます。
1度目でかなりの汚れは落ちるので、ここでも優しく優しく扱います。
洗い終わったら、同じようにしてシンクの底や、ざるにネットごとあげて、押して絞ります。ある程度絞ったら、洗濯機の脱水をかけます。時間は1分くらい。
すすぐ(2回)
また洗い桶にお湯を用意します。
洗剤液をすすぎます。2回すすぎます。このときも優しく押し洗いをするようにすすぎます。写真を見るとわかるのですが、すすぎの液が透明になっています。かなりきれいになりました。

洗剤に粉石鹸を使ったときは、ここで洗剤液のアルカリで開いてしまったキューティクルを閉じるためにリン酢をします。
お酢を大さじ1くらい入れて、押し洗いするようにリンスをします。こうするとフェルト化しません。
お酢の匂いが気になる人はクエン酸(薬局で売っています)でもできます。
すすいだ後はネットのまま、脱水をします。
脱水はしっかりかけてください。ネットに入っているので20分脱水をかけてもフェルト化することはありません。私は9分脱水をかけます。

脱水をかけたら、あとは風通しのいいところでざるか網のようなものの上にふわっと広げます。一日で簡単に乾いてしまいます。

←これが乾いたコリデールの毛です。
ステイプルはそのままになっているのがわかるでしょうか?ところどころに見える黒いものは草の実です。
乾いたときに毛を持って上下に振るとごみがかなり落ちます。

いかがでしたか?結構簡単に洗えてしまいます。
この洗った毛を使うとステイプルを櫛でほぐしただけで紡げる梳毛糸もできますし、
もちろん、クッションの中綿にもできます。
脂分があるので、針山の詰め物にもできます。
脂分が多く残っている毛を紡ぐと
脂分が天然のハンドクリームの役割をして手が荒れません。

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